私の不合格カルテ2015年|初受験で学んだ「課題文が読めない」という失敗

この記事は、私が8回目で合格するまでの「不合格カルテ」第1回です。
2015年の失敗を正直に振り返ります。
私が初めて一級建築士製図試験を受験したのは2015年。
課題は「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造)」でした。
今振り返ると、この年の敗因はエスキス(設計力)ではありませんでした。
課題文をまともに読めていなかったこと。
これがすべての始まりだったと思います。
名前を書くだけでシャーペンを5回折った、初年度の設計製図試験
初めての製図試験。
とにかく緊張していました。
名前を書くだけでシャーペンの芯を5回も折るくらい手が震え、汗もびっしょり。
今まで経験したことのない緊張感でした。
そんな状態で課題文を読み始めた私は、何を思ったのか、読みながら片っ端からマーカーを引いていました。
「これは重要そう。」
「これも大事。」
「これも……。」
結果、問題用紙はマーカーだらけ。
一通り読んだ後の問題用紙は鮮やかなもので、何が重要で、何が特に重要なのか、自分でも分からなくなってしまいました。
条件は頭に入らない。時間だけがどんどん過ぎていく。
「早くエスキスを始めないと。」
そんな焦りばかりが大きくなり、課題文を読み返しても内容が頭に入ってきませんでした。
振り返ると、読んでいたとしても条件を読み飛ばしていたのだと思います。
「周辺環境に配慮」を読み落とし
この年の課題では、レストランとギャラリーについて東側の商店街との連続性を配慮することが求められていました。
しかし私は、その条件を読み落としていました。
私の計画は、レストランとギャラリーを公園側に配置してしまったのです。
「公園利用者も利用しやすい方が、周辺環境への配慮になる。」
そう考えてのことで、課題文にある「東側の商店街との連続性に配慮すること」は、頭にありませんでした。
一般的な計画では、公園との連続性も悪い計画ではないと思います。
ただ、一級建築士製図試験では、自分の考えよりも課題文が優先です。
私は課題文を正しく理解する前に、自分なりの解釈で設計を進めてしまいました。
試験が終わった瞬間、落ちたと思った
試験が終わって図面を見返した瞬間、
「あ……レストランの位置が違う。」
そう気付きました。
その時点で、
「これは大減点だ。」
「おそらく落ちただろう。」
そう思いました。
試験会場を出たときには、まったく手応えはありませんでした。
「やっぱりダメだった。でもランクⅡだった」
合格発表の日。
結果は、不合格。
「やっぱりダメだったか。」
そう思いました。
ただ、結果はランクⅡ。
正直「ランクⅡだったんだ」と少し驚きました。
もちろん悔しかったですが、それ以上に思ったのは、
「こんな致命的なミスをしてもランクⅡなんだ。それなら来年はいける!」
ということでした。

このときは、この試験がこの先何年も私を苦しめることになるなんて、思ってもいませんでした。
この年に学んだ、一番大きなこと

2015年の敗因は、レストランの配置ミスが直接的な要因と思いますが、根本的な要因は初めての試験で緊張と焦りから、課題文を読めなくなってしまったことにあると思っています。
そして、課題文を正しく理解する前に、自分の考えで設計を進めてしまったことです。
製図試験は、設計力だけを競う試験ではありません。
課題文を正確に読み取り、その条件を忠実に満たすこと。
この当たり前のことを、私は初めての製図試験で痛いほど思い知りました。
「来年こそは受かる。」
そう思って迎えた2016年。
しかし、一級建築士製図試験は、そんなに甘くありませんでした。

私は8回目で合格しました。
- 課題文をどう読むか
- 敷地図をどう見るか
- 屋外施設をどう計画するか
- 要求室をどう整理するか
一つひとつ考え方を見直し、積み重ねたことで、何年も続いたランクⅢから抜け出すことができました。

本試験当日に私が何を考えていたのか、を紹介した記事です。
それぞれの場面で実際にどのように考え、判断していたのかは、一つの記事では書き切れません。
このあと紹介する記事では、本試験で私が実際に行っていた手順や考え方を、一つずつ詳しく解説しています。



