一級建築士設計製図試験は独学で合格できる?資格学校に通った私が勉強方法を考える

一級建築士設計製図試験は、独学でも合格できるのか。
私は7回不合格になり、8回目でようやく合格しました。
その間、長く資格学校に通っています。その経験から言うと、初受験でいきなり完全独学はかなり難しいと思っています。
ただ、何年も受験している人まで、毎年同じように資格学校へ通う必要があるのか。
今なら、私は少し違う選択をするかもしれません。

「資格学校は高いから独学で受けたい。」
「通信講座だけでも合格できるのだろうか。」
「何年も資格学校に通っているけれど、このままでいいのだろうか。」
一級建築士設計製図試験を受けるとき、勉強方法で迷う方もいると思います。
私は一級建築士設計製図試験に7回不合格になり、8回目で合格しました。
二級建築士を受験する頃から資格学校に通っていたため、一級建築士を受験するときも迷うことなく、資格学校に通うことにしました。
むしろ当時の私には、独学という選択肢がありませんでした。
設計製図試験は、
- エスキスをどう進めればいいのか
- 図面をどう描けばいいのか
- 記述はどう勉強するのか
- 法規は何を確認するのか
最初は何をすればいいのかすら分からなかったからです。
一方で、何年も資格学校へ通ったからこそ、
「資格学校に通えば安心」だけではない
とも感じています。
この記事では、資格学校を否定するつもりはありません。
私自身、資格学校で学んだことはたくさんあります。
そのうえで、独学・資格学校・通信講座のどれを選べばよいのか。
7回不合格になった私自身の経験からお伝えしたいと思います。
結論|初受験なら、私はまず資格学校を勧めます
最初に私の考えを書いておくと、初めて設計製図試験を受ける方なら、私はまず資格学校を勧めます。
理由は単純です。
設計製図試験は、最初は何を勉強すればいいのか分かりにくいからです。
学科試験に合格したばかりで、「今年すぐ製図試験を受けるべきか」と迷っている方は、こちらの記事で私の考えをまとめています。
▶︎ 学科試験合格初年度、製図試験をパスするのはアリ?ナシ?|8回受験した私の考え
私自身、一級建築士の設計製図試験を初めて受けたとき、独学はまったく考えていませんでした。
- 作図の手順すら分かりません。
- エスキスも分かりません。
- 記述対策も必要です。
- さらに、その年の課題によって施設用途が変わります。
たとえばホテルが課題になったとしても、
「ホテルにはどのような室が必要なのか。」
「利用者とサービスの動線はどう考えるのか。」
「どのような設備が必要なのか。」
「その施設では何に配慮する必要があるのか。」
初めて受験する人が、こうしたところまで一人で調べながら試験対策を進めるのは、かなり大変だと思います。
今はYouTubeなどでも作図やエスキスについて学べます。
そのため、以前より独学しやすい環境にはなっていると思います。
ただ、その年の課題用途に合わせた知識や課題固有の解説まで、自分ですべて集めるのは簡単ではありません。
その意味では、初受験では資格学校の安心感は大きいと思っています。
| 今の状況 | 私ならどうするか |
|---|---|
| 初受験 | まず資格学校を検討 |
| 2〜3年目 | 資格学校を続けつつ、自分に足りない部分を見直す |
| 多年度生 | 通信講座・独学への切り替えも検討 |
| 角番 | 今の勉強方法だけで十分か、一度見直す |
| 基礎はあるが費用を抑えたい | 通信講座を検討 |
| 自分で勉強を続けるのが苦手 | 資格学校の方が向きやすい |
どの勉強方法が一番優れているかではなく、今の自分に何が足りないのかから考えることが大切だと思っています。
このあと、それぞれについて私自身の経験から詳しくお話しします。
資格学校で学べたことは多かった
私自身、初受験では資格学校に通い、エスキスや作図の基礎から学びました。
資格学校では、
- エスキスの進め方
- 作図の仕方
- 記述対策
- 法規
- その年の課題に必要な知識
などを一通り教えてもらえます。
講師もいるので、分からないことがあれば確認できます。
さらに私にとって大きかったのが、何を勉強すればいいのかが明確だったことです。
授業があり、課題があり、宿題もあります。
良くも悪くも、学校へ行けば勉強しなければなりません。
自分一人では勉強を後回しにしてしまう人にとって、この強制力はかなり大きいと思います。
「今日は何を勉強しよう。」
と毎回考えなくても、資格学校のカリキュラムについていけば、必要な勉強を一通り経験できます。
これは通信講座や独学にはない、資格学校の大きなメリットだと思います。
それでも私は7回不合格になった
ただ、資格学校に通えば合格できるわけではありません。
私は長く資格学校へ通いましたが、7回不合格になりました。
これは資格学校が悪かったからだとは思っていません。
私自身の問題だったと思っています。
本試験の緊張感に負ける。
課題文を読み落とす。
条件を勘違いする。
今振り返ると、知識だけではなく、そうした本番での判断まで含めた自分自身の力が足りなかったのだと思います。
資格学校ではエスキスも作図も教えてもらいました。
それでも本番で読み落とせば、不合格になることがあります。
つまり、
資格学校は合格させてくれる場所ではなく、合格するために必要なことを学ぶ場所
なのだと思います。
最後は、自分自身が試験で使えるようにしなければなりません。
課題文の読み落としを防ぐために、私が実践していた4色マーキング法は、こちらで紹介しています。
何年も通うと、資格学校にも無駄に感じる時間が出てきた
初受験の頃には必要だった授業も、何度も受験していると同じように必要とは限りません。
私の場合、製図講座が始まった頃に見る、
- 設計製図試験の概要
- 基本的な作図方法
などの映像は、何度も見ていました。
毎回の課題文の読み取りについての映像も、受験年数が増えるにつれて「この時間は自分の勉強に使いたい」と思うようになりました。
もちろん、初受験の人には必要な内容です。
ただ、作図にも慣れ、記述のやり方も分かっている多年度生が、毎年最初から同じ内容を学ぶ必要があるのかというと、私は疑問に感じる部分もありました。
通信講座であれば、自分に必要な内容へ時間を使いやすくなります。
これは多年度生にとって大きな違いだと思います。
資格学校は講師によって違うとも感じた
私は長く資格学校に通ったため、何人かの講師から教わっています。
最初の2年間の講師、その後の講師、そして合格した最後の年にも講師が変わりました。
そこで感じたのが、講師によって考え方には違いがあるということです。
特に大きいのは、その講師が実務でどのような建築を設計しているかだと思います。
同じ設計者でも、住宅を中心に設計している人と、大きな施設を設計している人では、持っている実務知識も違います。
教科書として知っていることと、実際に設計した経験から知っていることには、やはり違いがあると思いますので、
受験生の立場からすると、設計製図試験の講師には、やはり実務で設計経験を積んでいる方であってほしいと思います。
私は最後の年に講師が変わったから合格できた、とは思っていません。
合格できたのは、それまで積み上げてきた知識と、住宅設計の仕事を続ける中で身についた考え方が、ようやく試験でも使えるようになったからだと思っています。
だからこそ、
一人の講師から教わったことだけを「唯一の正解」と考えすぎない方がいい
とも思っています。
実務で身につけた考え方が、製図試験でどのように役立ったのかについては、こちらで詳しく書いています。
私が今、一番大切だと思っていること
私はこのサイトで何度も書いていますが、一級建築士設計製図試験は、
「試験元が、どのような施設にしてほしいと考えているのか」を読み取る試験
だと思っています。
ランクⅢで不合格が続いていた当時の私は、
「この部屋は何階に入れよう。」
「どう振り分ければ図面がまとまるだろう。」
と、課題を解くことや部屋を配置することばかり考えていました。
しかし実際に設計の仕事を続けていると、考え方は少し変わりました。
もし本当にこの施設の設計を依頼されたら、
「利用する人にとって、どんな建物がいいだろう。」
「建築主は、なぜこの条件を求めているのだろう。」
と考えます。
資格学校でも通信講座でも独学でも、最後に必要なのはこの部分だと思っています。
勉強方法は、そのための手段にすぎません。
課題文を「条件集」ではなく、どのような建築が求められているかを考えながら読む方法は、こちらで詳しく解説しています。
では、独学で合格することはできるのか
独学で合格できる人はいると思います。
当然ながら簡単ではありません。
とくに初受験ならかなり難しいと思います。
作図の手順から調べなければならず、エスキス、記述、法規、その年の施設用途についても自分で勉強しなければなりません。
全8回も設計製図試験を受験している私が思うに、独学で合格できる人は、
- すでに何年か資格学校へ通っている
- 作図や記述の基本が分かっている
- 自分が不合格になった理由をある程度分析できている
という人なら、独学で挑戦することもできるかもしれません。
ただ、私自身が受験生だったとして完全独学を選ぶかと言われると、少し勇気がいります。
資格学校へ通えない金銭的な事情や、仕事・生活上の事情があるのであれば、独学も一つの選択肢です。
それでも、利用できる教材や講座はうまく使った方がいいと思っています。
3年目くらいから、勉強方法を見直してもいいと思う
私が今振り返って、一つの節目だと思うのが3年目くらいです。
3年目になると、
- 作図に慣れてくる
- 記述がどのようなものか分かる
- エスキスの流れが分かる
- 資格学校の進め方にも慣れる
という状態になってきます。
初受験の頃とは明らかに違います。
そうなったら、
「今年もとりあえず資格学校へ通う」
だけではなく、一度自分の勉強方法を考えてもいいと思います。
資格学校をやめる必要はありません。
むしろ2〜3年目くらいであれば、私はまだ資格学校に通うと思います。
ただ、余裕が出てきた分、別の教材や通信講座を併用するという方法もあります。
特に角番の人は、今年の勉強方法を一度考えてほしい
特に私が考えてほしいのが、角番の受験生です。
角番で不合格になると、翌年はまた学科試験から受け直すことになります。
私自身、何年も受験しました。
そして何年も資格学校へ通いました。
正直に言えば、一級建築士になった今もその費用を返済しています。
合格できたので、資格学校で学んだ知識も含めて今はプラスだったと思うようにしています。
それでも、
何度も通うことになったことについては、後悔があります。
資格学校の講座は決して安くありません。
2026年度の公式料金を見ると、日建学院の「設計製図パーフェクト本科コース」は税込770,000円、総合資格学院の「設計製図完全合格対策コース」は税込1,045,000円です。(2026年9月現在)
受講年度やコース、割引によって金額は変わるため、申込み時には最新情報を確認する必要があります。
一度で考えると高額ですが、さらに翌年も通うことになれば負担はもっと大きくなります。
だから角番の人には、
「今年すでに資格学校へ通っているから、それだけでいい」
と考えず、今年合格するためにできることを一度考えてみてほしいと思っています。
もう一年資格学校へ通うか迷う方へ
▶︎ 一級建築士設計製図講座の費用を比較|日建学院・総合資格学院・スタディングはいくら違う?
角番・多年度生になったときに、資格学校へもう一度通うべきか、通信講座や独学も含めてどう考えるかについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
資格学校+通信講座という方法もある
そこで一つ考えられるのが、
資格学校に通いながら、通信講座も併用する方法です。
資格学校とは違う課題を見る。
別の講師の解説を聞く。
今年の課題を別の人はどう考えているのか確認する。
こうした使い方です。
資格学校へ通っていると、他校の課題が気になることがあります。
私自身も受験していた頃、
「他の学校では今年の課題をどう考えているんだろう。」
と思うことがありました。
ただし、課題はたくさん解けばいいわけではありません。
私自身、闇雲に課題数をこなす勉強には意味がないと思っています。
大切なのは、
- 別の課題から、どのようなパターンが考えられるのかを知ること。
- なぜその計画になるのかを考えること。
だと思います。
講座ごとの料金を比較したい方は、こちらの記事で詳しく比較しています。
たとえばスタディングを併用する方法
通信講座の一つにスタディングがあります。
私は今回、スタディングの無料体験を実際に見てみました。
無料体験で確認できた内容については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
無料体験なので、すべての内容を確認できたわけではありません。
それでも、パソコンでもスマートフォンでも見やすく、解説も分かりやすいと感じました。
内容についても、無料体験を見た範囲では資格学校で学んできた内容と大きく外れている印象はありませんでした。
そのため、
「これなら資格学校と併用することもできそうだな」
というのが率直な感想です。
2026年の1級建築士製図対策コースは55,000円で、図面添削を希望する場合は44,000円の添削オプションが用意されています。合わせると99,000円です。
資格学校の長期講座をもう1年受講する可能性を考えれば、角番や多年度生が「今年の対策を厚くするための追加費用」として検討する考え方はあると思います。
ただし、私は有料版を受講したわけではありません。
無料体験だけでは、
- 本試験を想定した課題の質
- 課題解説の深さ
- 記述対策の内容
- 添削の質
までは判断できませんでした。
そのため、この記事で「スタディングなら絶対に大丈夫」と勧めるつもりはありません。

もし資格学校以外の課題を解いてみたいと思えば、利用してみる価値はあると思います。
スタディングが気になる方は、いきなり申し込むのではなく、まず自分に合う講座なのか確認してみてください。
私が無料体験を実際に見た感想や、資格学校に長く通った経験から感じた向き・不向きは、別の記事で詳しくまとめています。
▶︎ スタディング一級建築士製図講座はどんな人に向いてる?向いていない人も8回受験した私が考える
料金を資格学校と比べたい方はこちらです。
通信講座が向いている人・向いていない人
通信講座は誰にでも向いているとは思いません。
特に、学習を自分で継続・管理することが苦手な人には、難しいと思います。
資格学校であれば、決められた日に学校へ行き、授業を受け、宿題を提出します。
通信講座にはその強制力がありません。
今日は疲れたからやめよう。
明日やればいい。
そうやって勉強を先延ばしにしてしまう人なら、資格学校の方が合っていると思います。
また、
- 初受験
- まだ基礎知識が足りない
- 作図手順が分からない
- 何を勉強すればいいのか分からない
という人にも、私はまず資格学校を勧めます。
一方で通信講座を活かしやすいと思うのは、
- 資格学校へ複数年通っている
- ランクⅡだった
- ランクⅢでも、不合格になった原因をある程度分析できている
- 作図や記述の基礎は身についている
- 自分で学習時間を管理できる
という人です。
こういう人なら、資格学校で一から同じ内容を繰り返すより、通信講座を使って必要なところへ時間を使う方法も合うと思います。
通信講座が自分に合っているか詳しく確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
併用して混乱するなら、一つに絞った方がいい
資格学校と通信講座を併用すると、違うことを言われる可能性もあります。
私は、それ自体は悪いことではないと思っています。
どちらが正解なのかを決めるのではなく、「自分はどう思うのか」を考えればいいからです。
もし自分が実際にその施設の設計を依頼されたら、
どのように計画するのか、なぜその計画が利用者にとって良いのか。
そこまで考えて、自分なりに判断することが大切だと思っています。
ただし、二つの講座で違うことを言われるたびに、
「どっちが正解なんだろう。」
と混乱してしまうのであれば、無理に併用する必要はありません。
その場合は、自分が信頼できる一つの講座に絞った方が勉強しやすいと思います。
私が今もう一度受験するなら、通信講座を選ぶかもしれない
もし今の私が、もう一度設計製図試験を受験するとしたら、おそらく資格学校ではなく通信講座を選ぶと思います。
一番大きい理由は費用です。
私はすでに、
- エスキス
- 作図
- 記述
- 法規
- 施設計画
について一定の知識があります。
そのため、一からすべて教えてもらう必要はありません。
その年の課題傾向や施設特性を確認し、自分に足りない部分を補えれば、十分に試験対策ができると思っています。
ただ、これは今の私だからです。
初受験の頃の私なら、やはり資格学校へ通います。
勉強方法は、「資格学校と通信講座のどちらが優れているか。」で決めるものではありません。
今の自分に、何が足りないのか。
そこから考えた方がいいと思います。
まとめ|勉強方法よりも「自分に何が必要か」を考える
一級建築士設計製図試験は、独学でも合格できる人はいると思います。
ただ、初受験なら私は資格学校を勧めます。
何を勉強すればいいのか分からない状態から、エスキス・作図・記述・法規・施設知識まで一人で身につけるのは大変だからです。
一方で、何年も資格学校へ通い、すでに基礎が身についている人まで、毎年同じ方法で勉強する必要はないと思っています。
特に、
多年度生。
そして、
今年が角番の人。
一度、自分の勉強方法を見直してみてもいいと思います。
資格学校を続ける。
通信講座へ切り替える。
資格学校と通信講座を併用する。
場合によっては独学で進める。
選択肢はいくつかあります。
私自身、何年も資格学校に通い、今もその費用を返済しています。
だからこそ思います。
同じように何年も受験を続けるより、今年できることがあるなら、できるだけやって合格してほしい。
ただし、講座を増やせば合格できるわけでもありません。
最後に大切なのは、
「試験元は、この施設をどのような建物にしてほしいのだろう。」
と考えることです。
資格学校も、通信講座も、独学も、そのための手段です。
自分に足りないものを考えて、自分に合った勉強方法を選んでみてください。
何年も受験していて、「なぜランクⅢなのか分からない」と感じている方は、まずこちらを読んでみてください。

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