【2025年一級建築士製図試験】8回目で合格した私の本試験記録|課題文・エスキス・復元図・本試験のミスを公開

この記事では、私が8回目で合格した2025年一級建築士製図試験を、試験前日から本試験終了まで時系列で振り返ります。
当日に何を考え、どんな判断をし、どんなミスをしたのか。
詳しい考え方や手順は、それぞれ個別の記事でも解説しています。
2025年、一級建築士設計製図試験の課題は「庁舎」でした。
私はこの試験で、8回目の受験にしてようやく合格することができました。
この記事では、本試験の答案例や資格学校の模範解答を解説するのではなく、
「私自身の本試験前日・当日、実際に何を考え、どう判断したのか。」
そして、
「試験後に気付いたミスを含めて、それでもなぜ合格できたのか。」
できるだけ当時の記憶のままお伝えします。
試験前日|「いつも通り」を意識
試験前日は会社を休みました。
午前中に図面を1枚描き、その後は資格学校の模範解答を見返しながら、これまで学んできた内容を整理しました。
新しいことを覚えようとはせず、「いつも通り」を意識した一日です。

受験歴が浅かった頃は、前日まで知識を詰め込もうとしていました。
焦る気持ちは分かりますが、何もしない方が頭がスッキリした状態で試験に挑めました。
持ち物は前日の夜に準備を済ませ、22時頃には就寝しました。
8回目の受験ということもあり緊張することなく寝ることができました。
課題発表から考えると試験対策はごく短い期間です。
直前まで知識を入れたくなる気持ちはよく分かります。
ですが前日はゆっくりゆっくり休んで、「いつもの状態」で試験に入ることを優先した方が良いのではないかと思い、今振り返っても、この判断は良かったと思っています。
試験当日の朝|余裕を持って会場へ
試験会場へは車で向かいました。
家を出る時、妻から「頑張って。」と送り出してもらったことを今でも覚えています。
会場には約1時間半前に到着し、車の中で答案例を見返していました。

受験票には、公共交通機関を利用して、と書いています。車で向かわれる方は、事前にパーキングの位置を下見しておくことをオススメします。
万が一「満車」になっていたら大変なので、早めに駐車スペースを確保しましょう。
途中でコンビニへ寄り、試験中に食べるチョコレートと、念のためのホッカイロを購入しました。
エアコンが効きすぎて寒く感じることもあります。
寒ければ本調子で挑めないので、念には念を、で備えておきました。
会場では資格学校の同期にも会い、お互いに「頑張ろう。」と声を掛け合いました。
席に着くと後ろの席も同期でした。
なんだか、ちょっとした小さな安心感があったことを今でも覚えています。
課題文を読んだ瞬間|「今年はいける」と思った
本試験当日、課題文を読んで最初に思ったことは、
「思ったより難しくない!」
「今年は合格できる!」
というのが正直な感じです。
しかし、すぐに考えを切り替えました。
「ということは、多くの受験生が完成するはず。」
今年は完成することよりも、減点をいかに少なくするかが勝負になる。
私はそう考えながら、気合を入れ直し、4色マーキング、条件整理、エスキスへと進みました。
エスキス自体は比較的スムーズにまとまり、部門構成や動線も納得できる内容になりました。
本試験で唯一、普段と違うことをした
今回、本試験で唯一いつもと違うことをしてしまいました。
図面を描きながら、補足説明も同時に書き進めたことです。
「今年は難易度が低めだから、未完成は少なく、完成する受験者が多いはず」
そう感じた私は、補足説明で提案力も伝えられればより合格に近づくのではないか、そんな狙いがありました。
しかし、その判断で作図のリズムが崩れ、後半は時間に追われることになります。

その焦りが、後から振り返るといくつかのミスにつながっていました。
補足説明をふんだんに盛り込んだのは、良かったのか、悪かったのか・・・。
試験終了直後は「受かった」と確信
それでも試験が終わった瞬間は、
「受かった。」
という手応えがありました。
会場を出た直後は、妻へ「手応えバッチリ!」と意気揚々と電話をしたことを覚えています。
・・・しかし、会場を出て時間が経つにつれ、
- 延焼ラインを道路境界線から3mとしてしまった
- 塔屋の高さ制限の補足説明を書き間違えた
- 事務スペースを室として計画した
- 異種用途区画の扱いが気になった
と、次々に不安が湧いてきました。
特に気になっていたのが、東側道路の延焼ラインです。
道路中心線から3m以内の範囲なのにも関わらず、道路境界線から3mとして延焼ラインを引いてしまったことです。

さらに塔屋の高さ制限についても、安全側だと思って補足説明を書きましたが、その表記をミスってしまいました。
道路斜線制限において、塔屋面積が建築面積の1/8以内であれば塔屋は高さ制限に抵触しないのですが、私は「建築面積の1/10以内であるため」と間違った表記をしました。
それに、「2Aかつ35m以内」という点から、そもそも塔屋が高さ制限に抵触しないので、建築基準法の解釈ができていないのではないか、とみなされる可能性がありました。
こうして時間が経つにつれて、どんどん自信が失われていきました。
ミスがあっても合格できた理由
復元図を見返すと、決して完璧な図面ではありません。
- 延焼ラインのミス。
- 塔屋の補足説明。
- 事務スペースの異種用途区画
その他にも細かなミスはあったと思います。
それでも合格することができました。
今振り返ると、合格を分けたのはエスキスだけではなかったように思います。
例えば、敷地北東角には、交差点に近く視認性が高い立地を活かし、
「災害時には受け入れスペース、平常時には住民の憩いの場となる広場」
という提案を補足説明に記載しました。
要求条件を満たすだけではなく、その敷地だからこその提案まで考えられたことも、評価につながった一因だったのではないかと感じています。

もちろん本当の採点理由は分かりません。
ですが、この経験から強く感じたことがあります。
ここまで読んでいただいたように、私は完璧だったから合格したわけではありません。
たくさんミスもありました。
それでも最後まで建物として成立した提案をまとめきった。
その積み重ねが合格につながったのだと思っています。
それが、私が8回目の受験で学んだ一番大きなことでした。
関連記事
この後の記事では、
- 私が実践している4色マーキング術
- 本試験当日のエスキス手順
- 実際の復元図と考え方
- 本試験でやらかしたミスと反省点
それぞれ内容が長くなるため、個別の記事で詳しく解説しています。
気になるところから読んでいただいても構いませんし、順番に読み進めていただくことで、私が本試験当日にどのように考え、どのように計画を進めたのかを追体験できる構成になっています。
この記事が、これから一級建築士製図試験に挑戦する方や、私と同じように何度も悔しい思いをしている方のヒントになれば幸いです。




