2025年本試験④2025年本試験の復元図を公開|私はこう考えて描いた

2025年本試験で実際に作成した復元図を公開します。
図面を見ながら、計画の考え方や本試験でのミス、そして合格につながったと感じるポイントを振り返ります。
一級建築士設計製図試験は、試験終了後も不安が残る試験です。
「条件違反していないだろうか」
「部屋の配置は問題なかっただろうか」
「このミスで落ちたのではないか」
試験が終わった瞬間から、合格発表の日まで不安との戦いになります。
私自身、過去7回の不合格を経験しているため、試験終了後の不安な気持ちは痛いほど分かります。
今回は、2025年本試験で私が作成した復元図を公開します。
合わせて、
・どのような考え方で計画したのか
・本試験中に犯したミス
・それでも合格できた理由
について振り返っていきます。
これから製図試験を受験する方にとって、合格者の図面を見ることで少しでも参考になれば幸いです。
2025年一級建築士設計製図試験「庁舎」の復元図
2025年の設計製図試験の課題は「庁舎」でした。
課題発表時点では、
「庁舎ってどんな建物を計画すればいいのか」
というところから対策が始まりました。
近年の製図試験は、単純に用途を問うだけではなく、
・地域との関わり
・利用者との交流
・周辺環境との関係性
など、建築物の役割まで考えさせる内容になっています。
今回の私の計画では、
1階:住民利用・その他部門
2階:執行部門
3階:議会部門+一部執行部門
という構成にしました。


意識したポイント
私が計画で意識したポイントをご紹介します。
公園とのつながりを意識した1階計画

今回の課題では、「住民に親しまれている公園に隣接」という条件がありました。
そのため、住民交流スペースやカフェなどは、公園との関係性を意識して1階に配置しました。
庁舎というと行政手続きのための建物という印象がありますが、今回は地域交流の場としての役割も求められていました。

地域交流スペース・カフェ、それと公園に面した位置にエントランスホールを計画しました。
議場は3階配置

議場については、
・3階配置
・無柱空間
という明確な条件がありました。
そのため、最上階に議会部門を配置しました。
庁舎の実例でも議場が上階に配置されるケースは多く、無理に変化をつける必要はないと判断しました。

200m2を超えた議場なので、異種用途区画に配慮して入り口は特定防火設備としました。
敷地北東側角に、災害時の受け入れスペースを計画

敷地北東角は、交差点に面していて周囲からも視認性の良い場所です。
そこで私は、敷地北東角を憩いの場として計画し、日常的な使い方と別に、災害時の受け入れスペースとして、炊き出しができるスペースとして計画しました。

クライアントに対して、敷地の使い方まで提案した計画です。
私は過去にも何度も製図試験を受けてきましたが、このような提案ができたのは2025年の本試験が初めてでした。
利用者階段は建築物移動等円滑化誘導基準に則った計画とした

今回の課題では、主たる階段の条件として
- 幅1400mm以上
- 踏面300mm以上
- 蹴上160mm以下
という条件がありました。
図面からでは読み取りにくいということもあり、文言として記すことにしました。
こうすれば採点官にも伝わりやすい表現になります。

作図が悪くて仮に線が一本足りない、となったとしても、表記しておけば減点にはならないだろうと思い、書いておきました。
跳ね出した庇のスラブ筋を多くした

庇を2m跳ね出したので、構造的に配慮したことを、文言として記載しました。
正直、これがどれだけ意味があることかは分かりません。
廊下は長手方向にまっすぐ計画
プランニングで特に意識したのは、廊下を長手方向にまっすぐ通すことです。

今回の敷地は東西方向に長かったため「東西方向に廊下」→「南北方向に室を配置」というシンプルな構成にしました。
製図試験では時間制限があります。
複雑で美しいプランよりも、短時間で正確にまとめられるプランの方が重要だと考えています。
