令和8年一級建築士設計製図試験「ホテル」|課題発表日に私が最初にやること

令和8年の一級建築士設計製図試験の課題が、本日7月24日に発表されました。
この記事は、既存記事「課題発表後にまずやるべきこと」をベースに、令和8年の課題「ホテル」に合わせて内容を更新した2026年版です。
令和8年一級建築士設計製図試験の課題は「ホテル」と発表されました。
課題が発表されると、
「何を勉強すればいいんだろう。」
「早く始めないと遅れるんじゃないか。」
と焦る人も多いと思います。
私自身、受験生だった頃は毎年そうでした。
ちなみに私は、一級建築士設計製図試験を8回目で合格しました。
過去7回の不合格のうち、初受験はランクⅡ、その後は6回連続でランクⅢ。
かなりのポンコツ受験生だったと思います。
だからこそ、「課題発表日に何をすればいいのか分からない」という気持ちは、人一倍分かります。
まず思い出したのは2017年の「リゾートホテル」
ホテルと聞いて、最初に思い出したのは平成29年(2017年)の本試験課題「リゾートホテル」でした。
設計製図試験は課題がサイクルしているように感じています。
もちろん同じ課題が出るわけではありません。

2017年の製図試験は最初のカド番の年でした。
今回落ちたら、学科試験から受け直し。
相当なプレッシャーの中での受験でした。
課題条件の「名峰・湖の眺望」を無視してランクⅢ
まさかの課題条件を違反して、名峰が見えなければ、湖も見えない、普通の景色に客室を配置してしまいました。
これによって「ランクⅢ」となり、翌年は学科試験から受験し直すことになりました。
2017年度「リゾートホテル」での本試験での私の失敗談はこちらで詳しく紹介しています。

気になるポイント|既存建築物の現状保存に配慮して計画
今回の留意事項の中で、みなさん気になったであろう文言が、
「既存建築物の現状保存に配慮して計画する。」
という一文です。

敷地内に既存建築物があるってこと?
そう思った方も多いと思います。
もちろん、現時点では課題文が発表されていないため、どのような出題になるのかは誰にも分かりません。
だから今の段階で、「きっとこういう課題だ!」と決めつける必要はないと思います。
一方でこの留意事項は見方を変えると、少し前向きに考えることもできます。

既存建築物を残す条件が出るかもしれません。
隣接した敷地に建つ建物とアプローチを繋げる条件が出るかもしれません。
しかし、何かしら制約があった方が、むしろ建物の配置やゾーニングを考えやすくなる、という視点もあります。
今振り返ると、本試験は「試験問題を解く」のではなく、「一級建築士としてクライアントから依頼を受けた建築物を計画する」という意識で臨むべきだったと思っています。
この感覚をもっと早く持てていたら、私は8回も製図試験を受けずに済んだかもしれません。
なのでこの留意事項を見て「難しくなった」と考えずに、本番の課題文を見てから一級建築士としてどう応えるかを考えれば十分だと思っています。
資格学校に通う方は、毎回の課題をその気持ちで挑んでいただけると、その積み重ねが本試験でも落ち着いて課題に向き合える力につながるのだと思います。

SNSでは、先輩たちの予想が飛び交いがちです。
そんな予想が当たるかよりも、ただ「要求に応えるにはどうしたら良いか」という意識で本試験に挑む方が合格に近づくと思っています。
課題発表当日の過ごし方|私なら「ホテル 建築」で検索
私なら、まず「ホテル 建築」と検索します。
当然見るのは旅行サイトではありません。
有名建築家が設計したホテルなど、建築としてのホテルです。
私が知りたいのは、
- ホテルらしい空間構成
- 客室の考え方
- 建築としての魅力
- 宿泊室の設い
です。
まずはホテル全体を知る
ホテルは、多くの人が利用したことのある建築物です。
そのため、昨年の「庁舎」のように、
「そもそもどんな施設なんだろう。」
というところから勉強する必要はあまりないと思っています。
なので、ネットで検索したあと、見るのは施設全体の構成です。
ホテルにはどんな部門があるのか。
それぞれがどのような関係で計画されているのか。
そんなことを何となく理解できれば、この時期としては十分だと思います。
平面図が掲載されていればもちろん見ますが、公開されていないことが多いですね。
とはいえ、平面図を見ても参考になることは正直あまり無く、写真を見るだけで十分だと思っています。

課題文も無ければ、試験対策をまだ何もしていない現状の中で、実例のホテルの平面図を見ても、
「なるほどナルホド、こんな感じね。」で終わってしまうと思います。
製図歴8年、私は例年そうでした。
とはいえ、それでも気になるから調べてしまうんですよね。
今時期大事なのは、建築的な目線で「実際のホテルってこんな建築物なんだ。」というイメージを持つことだと思います。
今のうちに確認しておきたい法規
ホテルは比較的イメージしやすい用途です。
だから私は、施設について調べ続けるよりも法規の確認を始めた方が良いと思います。
ホテルは多層階になる可能性もあります。
高さ制限などは今のうちから復習できます。
課題が発表された今だからこそ、「予想しながら考える」よりも「できることをやる」のが良いと思います。
- 歩行距離・重複距離
- 非常用進入口・代替進入口
- 高さ制限 →道路、隣地、※北側低層・中高層住居
- 防火区画(面積・竪穴・異種用途)
- 採光(採光補正係数の計算も)
- 建築物移動等円滑化基準・建築物移動等円滑化誘導基準

今のうちに法規の知識は頭に入れておいた方が、絶対に良いです。
課題が始まってから法規まで復習しようとすると、思っている以上に時間を取られてしまいます。
今できることを少しずつ進めておくと、資格学校の課題にも入りやすくなると思います。
予想課題は探さない。エスキスもしない。
課題が発表されると、SNSやYouTubeでは予想課題がたくさん出てきます。
私も受験歴が浅いころは、気になって必死に探していました。
他の人より、一歩でも先に進みたい、という一心です。
でも、
予想課題を探し続けることはやめた方が良いと思います。
もちろん、実際にエスキスを解くのもNGです。
課題文はまだ発表されていません。
設計条件も分からない状態でエスキスを始めても、先入観を持ってしまうだけだと思っています。
資格学校で課題分析が始まってからでも十分です。

最初の内は資格学校も課題を手探りで分析しています。
実際、講義が進む中で方針が変更することも珍しくありません。
課題発表直後にSNSやネット上にある課題をスタートしても、変な先入観を持ってしまうだけです。
まとめ
ホテルが課題として発表されると、焦る気持ちはよく分かります。
でも、この時期にできることは限られています。
- まずはホテルを知ること。
- そして法規を確認すること。
- 予想課題は探さない。
- エスキスもしない。
私は、このくらいから始めれば十分だと思います。
最後に。
2025年、一級建築士設計製図試験に8回目でようやく合格した私の、本試験当日の記録です。
これから受験する方の参考になれば幸いです。

