一級建築士設計製図|ランクⅢを繰り返す人の自己診断|あなたはどこでつまずいている?

ランクⅢを繰り返していると、
「結局、自分は何が悪いんだろう。」
と分からなくなることがあります。
私自身、ランクⅢを6回経験しました。
今振り返ると、必要だったのは課題を増やすことよりも、
「自分はどこでつまずいているのか。」
を一度整理することだったと思っています。
一級建築士設計製図試験に落ちる原因は、人によって違います。
課題文の読み方に原因がある人。
エスキスの進め方に原因がある人。
平面計画、作図、記述、時間配分に原因がある人。
あるいは、何年も同じ勉強方法を続けていること自体が原因になっている人もいるかもしれません。
私自身、一級建築士設計製図試験に7回不合格になり、8回目でようやく合格しました。
そのうち、ランクⅢは6回。
角番落ちも2回経験しています。
不合格だった頃の私は、
「もっと課題を解けばいい。」
と思っていました。
でも、今振り返ると、その前にやるべきだったことがあります。
それが、
「自分はなぜ落ちているのかを具体的にすること」
です。
この記事では、
- 課題文
- エスキス
- 平面計画
- 作図
- 記述
- 時間配分
- 多年度生としての勉強方法
に分けて、自分がどこでつまずいているのかを確認できるようにしました。
全部を一度に直す必要はありません。
まずは、自分に当てはまるところを探してみてください。
まずは自己診断|あなたはどこでつまずいていますか?
設計製図試験でランクⅢになる原因は、全員同じではありません。
チェックの数を競うものでもありません。
「どの項目にチェックが集中しているか」
を見ながら、自分の弱点を探してみてください。
課題文・条件の読み取り
- 課題文を読んでも、「結局どんな建物を求められているのか」がよく分からない
- 要求室や面積、条件をチェックすることが課題文を読む中心になっている
- 本試験や模試で、あとから条件の読み落としに気づくことがある
→ 当てはまる方は、課題文の読み方を一度見直した方がよいかもしれません。
エスキス
- エスキスを始めると、すぐに要求室を配置し始めてしまう
- 毎回エスキスの進め方が変わり、「何から考えるか」が決まっていない
- 2時間たってもエスキスがまとまらず、焦って作図へ進むことがある
→ 当てはまる方は、建物を組み立てる順番に原因がある可能性があります。
平面計画
- 部屋は入っているのに、廊下が曲がったり平面がまとまらなかったりする
- スパンを最初から7m×7mなどに決めてしまうことが多い
- 階段やEVを置いたあと、要求室が納まらなくなって何度もやり直す
→ 当てはまる方は、部門・スパン・廊下・階段の考え方を見直してみてください。
作図
- 作図中に「ここはどうしよう」と考える時間が多い
- 3時間程度で作図を終えることができない
- 速く描くためにフリーハンドへ変えるべきか迷っている
→ 当てはまる方は、手の速さよりも、作図前にどこまで決められているかを確認した方がよいと思います。
記述
- 記述になると、何を書けばよいか毎回悩む
- 記述を「覚えた文章を書く問題」だと思っている
- 自分がなぜその計画にしたのかを説明するのが苦手
→ 当てはまる方は、エスキスと記述を別々に考えていることが原因かもしれません。
時間配分・見直し
- エスキスが長引くと、その後の予定がすべて崩れる
- 作図が終わった時点で、ほとんど見直し時間が残っていない
- 本試験で「何時までに何を終えるか」を具体的に決めていない
→ 当てはまる方は、6時間30分全体の使い方を一度決めておく必要があります。
多年度生・ランクⅢを繰り返している人
- 不合格になるたびに「もっと課題を解こう」と考えている
- 資格学校の答案例に近づけることが正解だと思っている
- 毎年同じ勉強方法を続けているが、不合格の原因を自分では説明できない
→ ここに当てはまる方は、課題数を増やす前に、なぜ自分が落ちているのかを一度整理することが大切だと思います。
チェックの数より「どこに偏っているか」を見る
この自己診断は、
「10個当てはまったから危険。」
というものではありません。
大切なのは、どの項目にチェックが集中しているかです。
例えば、
- 課題文に多い → 読み取りから見直す
- エスキス・平面計画に多い → 建物を組み立てる順番から見直す
- 作図・時間配分に多い → 作図前の完成度と時間の使い方を見直す
- 多年度生の項目に多い → 勉強方法そのものを見直す
というように、自分の弱点によって読むべき記事は変わります。
ここからは、チェックが多かった項目ごとに、私が見直したことと関連記事を紹介します。
課題文・条件の読み取りにチェックが多かった人
課題文の項目にチェックが多かった方は、エスキスの技術より先に、課題文の読み方そのものを見直した方がよいかもしれません。
私は不合格だった頃も、課題文を読んでいなかったわけではありません。
要求室も確認していました。
面積も確認していました。
条件にもマーカーを引いていました。
それでも、何度もランクⅢになりました。
今振り返ると、私は課題文を、
「違反しないための条件集」
として読むことに偏っていたのだと思います。
合格した年に変わったのは、
「この建物では、何を求められているのだろう。」
と考えながら読むようになったことでした。
▶︎ 一級建築士設計製図試験の課題文の読み方|「条件」ではなく「建築」として読む
条件の読み落としが多い方は、マーキング方法も一度整理してみてください。
▶︎ 2025年本試験②|一級建築士製図試験・私の4色マーキング術
エスキスにチェックが多かった人
エスキスにチェックが多かった方は、
「何から考えるのか」が毎回決まっているか
を一度確認してみてください。
私は不合格だった頃、
課題文を読む
↓
要求室を見る
↓
とりあえず部屋を入れてみる
という進め方になりがちでした。
そのため途中で、
「この部屋が入らない。」
「階段をどこに置こう。」
「廊下がうまくつながらない。」
となり、何度もやり直していました。
合格した年は、部屋を一室ずつ入れるのではなく、
建物を大きなところから順番に組み立てる
ことを意識しました。
私が2025年本試験で、課題文を読んでから1/400までどのような順番で考えたのかはこちらで公開しています。
▶︎ 2025年本試験③|一級建築士製図試験・本試験当日のエスキス手順を公開
要求室を一室ずつ配置してしまう方はこちらも参考にしてください。
▶︎ 部門によるゾーニング|部屋ではなく、建物を組み立てる考え方
平面計画にチェックが多かった人
部屋は何とか入る。
でも、
廊下が曲がる。
平面がまとまらない。
最後に階段やEVが邪魔になる。
という方は、室配置そのものより、その前の骨格に原因があるかもしれません。
私は以前、
「要求室を全部入れれば、なんとかなる。」
と考えていました。
でも、部屋だけを見て配置していくと、建物全体のまとまりが崩れやすくなります。
私が見直したのは、
スパン → 廊下 → 階段
といった、部屋を入れる前後の骨格でした。
スパンを最初から決めつけてしまう方はこちら。
廊下が曲がったり、平面がまとまりにくかったりする方はこちら。
階段を四角で置いて終わりにしている方はこちら。
▶︎ 一級建築士設計製図試験|階段計画の考え方|階高から段数・納まりを確認
作図にチェックが多かった人
作図時間が長いと、
「もっと手を速く動かさないと。」
と考えたくなると思います。
私もそうでした。
でも、私の場合、作図が速くなった一番の理由は、手が急に速くなったことではありません。
作図中に考えることが減ったからです。
1/400の段階で、作図に必要なことをできるだけ決めておけば、作図では「考える」のではなく「描く」ことに集中できます。
▶︎ 一級建築士設計製図|3時間以内で作図する方法【迷わない作図手順】
また、
「作図を速くするならフリーハンドにした方がいいのか。」
と迷っている方はこちらも参考にしてください。
▶︎ 一級建築士製図はフリーハンドと平行定規どっちがいい?8回受験して両方使った私の結論
記述にチェックが多かった人
記述が苦手な方は、
記述だけを別の試験のように考えていないか
を一度確認してみてください。
私は以前、
「この質問には、この文章を書く。」
というように、文章を覚えることに意識が向いていました。
でも記述は、本来、
自分が計画した建築について説明する問題
です。
なぜこの部屋をここに配置したのか。
なぜこの動線にしたのか。
どのような構造・設備計画にしたのか。
エスキスで考えたことが、そのまま記述を書く材料になります。
▶︎ 一級建築士設計製図試験|記述は作文ではない|エスキスとつながる記述の考え方
時間配分にチェックが多かった人
エスキスが少し長引く。
その結果、記述も遅れる。
作図開始も遅れる。
最後は見直し時間がなくなる。
私は何度もこの状態になりました。
設計製図試験では、それぞれの作業を速くするだけではなく、
6時間30分全体をどう使うのか
を決めておくことが大切です。
「エスキスは何時まで。」
「記述は何時まで。」
「何時になったら作図を始める。」
という基準があれば、本試験中に自分が遅れていることにも気づけます。
多年度生・ランクⅢの項目にチェックが多かった人
ここにチェックが多かった方には、私が一番伝えたいことがあります。
課題を増やす前に、一度「なぜ落ちているのか」を考えてみてください。
私は何度も不合格になるたび、
「もっと課題を解こう。」
「もっと資格学校の答案例に近づけよう。」
と考えていました。
でも、同じ勉強方法を続けながら、
なぜ自分がランクⅢなのか
を深く考えていなかったと思います。
私が6回ランクⅢになった経験から感じた共通点はこちらの記事でまとめています。
▶︎ ランクⅢになる人の共通点|私が6回ランクⅢだったから分かった、本当の原因
また、
「そもそも試験では何を評価されているのか。」
を一度確認しておくのもおすすめです。
▶︎ 一級建築士製図試験|2014~2025年の合格基準から見えた「本当に求められる力」
角番・多年度生で、資格学校へもう一度通うか迷っている方はこちらです。
▶︎ 一級建築士設計製図|角番・多年度生は資格学校にもう一度通うべき?7回落ちた私が今なら考える勉強法
全部にチェックが付いたとしても、一度に全部直さなくていい
自己診断をしてみると、
「ほとんど全部当てはまった。」
という方もいるかもしれません。
私も不合格だった頃を振り返れば、かなりの項目に当てはまります。
でも、一度に全部を直そうとする必要はないと思っています。
まずは、
一番チェックが多かったところ。
あるいは、
自分でも以前から気になっていたところ。
そこから一つずつ見直せば十分です。
特にエスキスに悩んでいるのであれば、
課題文 → 敷地図 → 屋外施設 → 要求室 → 部門 → スパン → 廊下 → 階段
の順番で、一度自分の考え方と比べてみてください。
まとめ|課題を増やす前に「自分がどこでつまずいているか」を知る
私は設計製図試験に7回不合格になりました。
不合格になるたび、
「次はもっと勉強しよう。」
「もっと課題を解こう。」
と思っていました。
もちろん、課題を解くこと自体が悪いわけではありません。
ただ、
自分がなぜ落ちているのか分からないまま課題数だけを増やしても、同じ失敗を繰り返してしまうことがあります。
これは、私自身が長い受験生活の中で経験したことです。
課題文なのか。
エスキスなのか。
平面計画なのか。
作図なのか。
記述なのか。
時間配分なのか。
あるいは、勉強方法そのものなのか。
まずは、
「自分はどこでつまずいているのか。」
を一つでも具体的にしてみてください。
そこが分かれば、次に何を勉強すればいいのかも見えやすくなります。

私は、何度も落ちたこと自体が問題だったとは思っていません。
一番遠回りだったのは、
「なぜ落ちたのか分からないまま、同じ勉強を繰り返していたこと」
だったと思っています。
もし今、ランクⅢを繰り返しているなら、次の課題へ進む前に、一度だけ自分の答案と勉強方法を振り返ってみてください。



